春菊と言えば鍋物を思い浮かべる私ですが…
冬だけの野菜かと思ったら、年間を通して出荷されているそうです。
鍋物以外には、サラダやおひたしなどで食べることができます。
関東では春菊、関西では菊菜と呼ばれるキク科の野菜で、おなじキク科の食べられる植物にはヨモギなどがあります。
そういえば、東北の親せきは菊の花(食用菊)もおひたしにしてよく食べてます。
春菊のここが嫌い! 大人からのリアルな回答
クセ
独特のクセが強いから食べられない。
雑草
雑草みたいな味 実家のすき焼きに入っていて食べた瞬間吐き出した。
匂い
すき焼きに入っている春菊が嫌い。匂いが嫌い。
味が濃い
義理の実家で鍋に春菊を入れてあって、当然食べられるものと思われてよそわれたので食べたけれど…やはり嫌い。
風味と苦さ
独特の苦さが苦手。
嫌な臭い
青臭いともエグイとも違う、独特の風味がとても苦手。
風味
独特の風味や苦さがあるから嫌い。
春菊のココが嫌い!まとめ
春菊が嫌いな人が口をそろえて指摘する「におい」。
「青臭い」でなく「独特」と表現する方がとても多かったです。
たしかに、鼻を抜けるような、独特の芳香がありますよね。
あの香りのもとは「ピネン」と「ペリルアルデヒド」という成分。
ピネンは、植物の精油などに含まれる香り成分で、
理科的に厳密にいうとピネンα、ピネンβと分かれていき…となりますが、省略。
端的に言えば「マツやスギと同種のにおい成分」で、
合成すれば「メントール」や「(虫よけの)しょうのう」の原料にもなれます。
石鹸、塗料などにも含まれます。
「ペリルアルデヒド」は、春菊以外だとシソに含まれる香り成分。
どちらも、抗酸化とかリラックスといった効能が見込める、
人体には良い効果をもたらす成分みたいですが「その匂いが厭なんだってば!」なら、リラックスどころではないですね。
また、水炊きやすき焼き、なべ料理の定番なので、
漠然と和の野菜と思っていましたが、原産・発祥は地中海。
ただし、春菊嫌いさんと同様に、地中海やヨーロッパでは、春菊の芳香は食用としては受け入れられませんでした。
春菊の花と、ぎざぎざ複雑な形をした葉は、とても可憐なので、観賞用の植物として愛でられていたのみです。
「この独特のにおいは、食べるものとしては、ちょっと違う…」
野菜嫌いさんの言っていることとほぼ同じことを、地中海の人たちは感じていたわけですね。
それが、中国を経由して、室町時代くらいに日本にやってきて、なぜか「食べるもの」として定着しました。
いまでも、春菊を食用にしているのは日本や中国をはじめとする一部のアジアだけのようです。
葉だけでなく茎も柔らかく食べられる便利野菜ですし、
鍋やすき焼きに入れるのが定着しているのは、牛肉や魚の臭みや脂っこさが和らぐからかもしれません。
春菊の花って見たことないけれど?と思った方もいそうなので写真を。
春菊はマーガレットの仲間なんです。
スーパーでパックされた春菊は「しなしな~」ですが、土から生える葉っぱはレースのようでステキです。
マーガレットの原産地はスペイン領のカナリア諸島。
アフリカの北西部に近い群島ですが、やはり地中海とは目と鼻の先です。
春菊を英語名は「crown daisy(クラウンデイジー)」「Garland chrysanthemum(ガーランドクリサンセマム)」
デイジー(ヒナギク)の王冠、花輪、といった意味合いになります。