入梅(にゅうばい)という言葉を知っていますか?
入梅は、雑節の一つです。入梅とはどういう日なのか、由来や意味を紹介します。
入梅(にゅうばい)とは?
入梅とは、暦の上で梅雨の季節に入ることを意味します。
梅雨は、梅雨入り後約1ヶ月間続きます。
現行の暦では、太陽の横径が80°に達した日で、6月11日頃になります。
旧暦では、芒種の後の最初の壬(みずのえ)の日です。壬は、隠形五行説で「水の気の強い性格」であるため、水と縁がある日のため入梅の時期の目安に選ばれたそうです。
また、芒種から数えて5日目、立春から数えて135日目の日に当たります。
気象上の梅雨入りは、地域や年によって異なります。
梅雨は、東アジアでみられる現象で、北海道には梅雨はありません。
入梅の日から梅雨が始まるというわけではなく、このころから雨期に入るということを田植えの時期を決める上でも大事な事であったため、農家の人が知ることができるよう暦の上で設けたのであろうと考えられています。
梅雨の由来は?
「梅雨(つゆ)」は、江戸時代から使われるようになりました。それより昔には、「五月雨(さみだれ)」と呼ばれていました。
入梅の由来は諸説あり、中国で梅の実が熟する頃の雨だから梅雨(ばいう)とよばれていた説、この頃は湿度が高く黴〔かび〕が生えやすいため「黴雨(ばいう)」が転じて梅雨になった説などがあります。
入梅イワシとは
日本のイワシには、ニシン科のマイワシとウルメイワシ、カタクチイワシ科のカタクチイワシの3種類があります。
入梅イワシとは、6月~7月の梅雨入りの時期にとれるマイワシのことです。この時期のイワシは産卵前で、1年で最も脂が乗っていて美味しいとされています。
イワシには、DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸を豊富に含んでいます。DHAは頭の働きを良くし、EPAは血中コレステロールを下げる効果があるとされています。
さらに、ビタミンB群(中でもビタミンB2とB6が豊富)やビタミンA・D・E、タンパク質、鉄、カルシウムなど、様々な栄養も含まれています。
イワシには、疲労回復、体力向上、動脈硬化の予防、高血圧の予防、認知症の予防、老化防止、骨粗しょう症の予防など様々な効能があるとされています。
おいしい上に、栄養満点ならこの時期のイワシを積極的に食卓に取り入れたくなりますね!
まとめ
入梅は、暦の上で梅雨の時期に入る目安の日のことです。気象上の梅雨入りの時期とは異なることもありますが、特に農家にとっては田植えの日を決めるため、重要な日でした。