日焼けの原因となる紫外線は、一年中地上に降り注いでいます。
紫外線を浴びることで、日焼けだけでなく、人体に様々な悪影響を及ぼす恐れがあるので、日常的に対策をしていくことが必要です。
今回は、正しい紫外線対策の方法を紹介するので参考にしてみてください。
紫外線とは?
紫外線は、太陽光線に含まれている、目には見えない波長の短い光線です。
紫外線は波長の領域とそれに伴う性質によって、3つに分けられます。
・紫外線(UV-C)は、空気中の酸素分子とオゾン層で完全にさえぎられて地表には届きません。
・紫外線(UV-B)も同様にオゾン層などにさえぎられて地表に届く量が減ります。しかし、 完全にさえぎられるわけではなく、地表に届く量がオゾン層の変化に影響されることから、現在地表に届くUV-Bの増加が懸念されています。
・紫外線(UV-A)は、UV-BやUV-Cに比べて影響は小さいですが、その多くが地表に届くため、長い時間あたると肌 などに影響があることが懸念されています。
紫外線の性質
・曇りでも、雨でも紫外線は地表に届く
薄い雲では UV-Bの80%以上が透過します。屋外では太陽から直接届く紫外 線量と空気中で散乱して届く紫外線量がほぼ同程度であす。 くもりの場合は約60%、雨の場合は約30%の量になります。しかし、雲の間から太陽が出ている場合には、雲からの散乱光が加わるため快晴の時よりも多い紫外線が観測されることがあります。
・紫外線は一年中降り注ぐ
一日のうちでは正午ごろが、最も紫外線が強くなります。
(夏の午前10時~午後2時に1日のおよそ60%、 冬の同じ時間帯では1日の照射量の70~75%を占める)日本の季節では6月から8月に最も紫外線が強くなります。(4 ~9月に1年間のおよそ70 ~80%)
・地表面の種類により紫外線の反射率は大きく異なる
屋外にいる人は、上空から地上に向かう紫外を浴びるだけでなく、地表面で反射された紫外線も浴びています。
新雪では、80%、砂浜では、10~ 25%、コンクリート・アスファルトでは、10%、水面では、10 ~ 20%、草地・ 芝生、土面では、10%以下です。
・標高が1000m上昇するごとに UV-B は10~12%増加する
紫外線は、上空から地上に到達する間に、空気分子やエーロゾルにより散乱され、その強度は弱くなります。 標高が高いと、その地点から上空の大気の量は少ないので、紫外線は散乱を受けにくくなり、その地点で受ける紫外線は強くなります。 また、標高が高いと、大気を通過する際のオゾンによる吸収も少なくなり、紫外線は強まります。
・南に行く(緯度が低くなる)ほど強い
年間の紫外線量は、沖縄と北海道で2倍程度の違いが見られます。
紫外線の人体への影響は?
紫外線は、人体へ様々な影響を与える恐れがあるとされています。
急性的なもの
・日焼け
・紫外線角膜炎
・③免疫機能低下
慢性的なもの
皮膚への影響
・シミ、シワ
・良性腫瘍
・前がん症(日光角化症、悪性黒子)
・皮膚がん
目への影響
・白内障
・翼状片
このように紫外線は、皮膚だけでなく、目への悪影響を及ぼすとされています。
そのため、日頃から紫外線による影響を防ぐための対策が必要になってきます。
日焼けしてから手入れするのではなく、日常的に紫外線を浴びすぎないようにしていきましょう。
紫外線対策の方法は?
①日焼け止め
顔など、衣服で覆うことができない箇所は、日焼け止めを使いましょう。
日焼け止めの種類は、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤があります。
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収し、エネルギーに変えて放出します。紫外線を防ぐ力が強く、白くならないという非常にすぐれた特徴をもっていますが、肌への負担が大きく、まれにアレルギー反応をおこす人がいます。
紫外線散乱剤は、紫外線を反射・散乱させて皮膚を防御するため、肌への負担は少なく、少々白くなりますがアレ ルギーをおこすことがほとんどありません。
日焼け止めに記載されているSPFやPAは、紫外線を防ぐ効果を表しています。
SPAは、シワやたるみの原因となる紫外線・UVBを防ぐ数値です。この数値は、素肌と比べたとき、日焼けがはじまるまでの時間を何倍まで遅らせることができるのか表しています。は日焼けがはじまるまで20分かかるといわれています。
「SPF30」の日焼け止めなら20分×30=600分(10時間)という計算です。
PAは、ミやそばかすの原因となる紫外線・UVAからどのくらい防御できるかという数値です。プラス(+)の数が多ければ多いほど、効果が高いです。
SPFの数値が高かったり、PAの(+)が多ければ紫外線を防ぐ効果は高くなります。しかし、その分肌への負担も大きくなってします。そのため、目的別によって使い分けましょう。また、使用後はしっかり落とした後、保湿をすることも大事です。
日焼け止め使用時は、外に出る20~30分前に塗り、2~3時間度とに塗りなおしましょう。使用量は、メーカーの規定量を塗るようにしましょう。
日常生活(散歩、買い物など少し外に出る場合)
SPF10~20 PA+~PA++
屋外でのスポーツやレジャー
SPF20~30 PA++~PA+++
炎天下でのスポーツやレジャー、海水浴
SPF50 PA++++
②サングラス
サングラス 紫外線カット眼鏡を使用は、眼へのばく露を90%カットすることができます。
最近では普通のメガネにも紫外線カットのレンズが多くなってきています。
サングラスを使用する場合は紫外線防止効果がはっきり示されたものを選びましょう。
しかし、眼に照射される太陽光は正面方向からの光だけではありません。上方、側方、下方、 さらには後方からの光も眼を直接、間接的に照射しています。レンズサイズの小さな眼鏡や顔の骨格に合わない眼鏡では、正面以外からの紫外線に対しては十分な防止効果を期待できません。
強い太陽光の下で目を守るためには、顔にフィッ トした、ある程度の大きさを持つ眼鏡をかけましょう。
色の濃いサングラスは、眼に入る光の量が少なくなるため瞳孔が普段より大きく開きます。そのため、紫外線カットの不十分なレンズでは、かえってたくさんの紫外線が眼の中へ侵入し、危険な場合がありますので注意が必要です。
③日傘、帽子
夏の日中など、日差しの強いときの外出には、日傘の利用が効果的です。最近は紫外線防御機能を高めた日傘もあります。
女性だけでなく、男性も使用することが勧められています。
帽子は直射日光をさえぎってくれます。特に、幅の広いつばのある帽子は、大きな効果があります。
麦わら帽子などつばの幅が広い帽子は、日差しの強いときの外出時における紫外線防止に非常に効果的です。
ただ、日傘や帽子も、太陽からの直接の紫外線は防げますが、大気中で散乱している紫外線まで防ぐことはできません。
④衣服で覆う
体を覆う部分の多い衣服の方が、首や腕、肩を紫外線から守ってくれます。
また、皮膚に到達する紫外線を減らすための衣服としてはしっかりした織目・編目を持つ生 地を選ぶことです。生地を透かして太陽を見てみれば簡単にわかります。濃い色調で目が詰まっている衣類が一番よいということになりますが、通気性や吸収性が悪いと暑い時期には熱中症になる恐れがありますので、自身が心地よく着ていられるものを選びましょう。
また衣服や日傘の色についても同様で、特にこだわる必要はないです。
⑤日差しの強い時間帯を避ける、日陰を利用する
一日のうちで最も紫外線が強くなる正午ごろに外に出ることを控える、外出したときなどには、日陰を利用するのもよいです。
しかし、紫外線には、太陽からの直接のものだけではなく、空気中で散乱したものや、地面や建物から反射したものもあります。直接日光の当たらない日陰でも紫外線を浴びていることは忘れないようにしましょう。
⑥食べ物
紫外線対策には、ビタミンが豊富な野菜や便秘予防のための食物繊維などを積極的に摂ることも大事です。特定の食べ物だけを摂取するのではなく、バランスの良い食事を心がけましょう。
紫外線対策に効果的な栄養素
ビタミンC
ビタミンCは、シミの原因であるメラニンを還元させる作用を持ち、黒色メラニンの合成を抑えます。また、真皮層にあるコラーゲンの生成にも必要なビタミンで、抗酸化作用も豊富です。
Lーシステイン
L-システインは、メラニン色素が生まれるのを抑える働きがあり、肌のターンオーバーを促し、メラニンを排出してくれます。
ビタミンE
ビタミンEは、抗酸化作用があり、活性酸素から肌を守り、肌の健康を維持します。
ビタミンA
ビタミンAは、ビタミン同様に抗酸化作用があります。
まとめ
紫外線は、私たちの体に悪影響を及ぼす恐れがあります。
地表には、年中降り注いでいるため、日常的に対策をしていくことが大切です。
紫外線対策には色々な方法がありますので、それぞれの生活シーンにおいて必要な対策を取っていきましょう。