国語の授業で、「1月、2月、3月…」を「睦月、如月、弥生…」と呼ぶのを習ったかと思います。
しかし、それぞれなぜその呼び方をするのかは、覚えていない人がいるでしょう。
今回は7月の文月の意味について紹介します。
文月(ふづき・ふみづき)は7月の「月の異名(異称、別称)」です。
元々は旧暦の7月のことでしたが、現在は新暦の7月のことを指します。
旧暦は太陰太陽暦、新暦は太陽暦を採用しているため、現在の暦と1ヶ月ほどずれが生じています。
そのため、旧暦の7月は新暦では、7月下旬から9月上旬に当たります。
文月の意味や由来は?
文月の意味・由来についての有力な説は、「文被月(ふみひろげづき・ふみひらきづき)」が略されて「文月」になったというものです。
「文被月」とは、「文を広げてさらす月」という意味で、書道の上達を祈って短冊に歌や願い事などを書く、7月7日の風習を指しています。
しかし奈良時代に中国から伝わった七夕は、古来日本にはなかった行事のため疑問視する声もあるようです。
他にも、中国の七夕に書物を虫干し(天日干し)する習慣があり、「文開く月」が「文月」になった説、収穫間近の稲穂にお米が含まれることから「穂含み月(ほふくみづき)」・「含み月(ふくみづき)」が転じて「文月」になった説、稲穂の膨らみが見られる月であることから「穂見月(ほみづき)」が転じたという説があります。
文月の別名、異名、異称
文月(7月)には、他にも別名、異名、異称の呼び名があります。
「初秋(しょしゅう・はつあき)」・「秋初月(あきそめつき・あきはづき)」
旧暦の季節の分け方は、1月~3月が春、4月~6月が夏、7月~9月が秋、10月~12月が冬です。
7月は、秋の最初の月であることから「初秋・秋初月」と呼びます。
「新秋(しんしゅう)」
秋の初めという意味です。
「七夕月(たなばたづき)」、「七夜月(ななよづき)」
七夕がある月であるため「七夕月」と呼びます。
「女郎花月(おみなえしづき)」
女郎花の咲く時期であるため「女郎花月」と呼びます。
「親月(おやづき、しんげつ)」
旧暦の7月はお盆があり、親のお墓参りをする月であるということから「親月」と呼びます。
「愛逢月(めであいづき)」
七夕に織姫と彦星が年に一度再会する七夕を含む文月では、お互いが愛して逢う月ということから「愛逢月」と呼びます。
「涼月(りょうげつ)」
暑さもやわらぎ、涼しい風を感じることもあるため「涼月」と呼びます。
他にも、「建申月」、「桐月」、「蘭月」などがあります。
まとめ
文月の由来には諸説あり、有力な説は、「文被月」が略されて「文月」になったというものでした。
文月以外に、他にも呼び方は色々あり、その月の季節感が分かるような意味や由来になっていることが分かります。