ビジネスシーンにおいて、来客時にお茶を出す機会があると思います。
お茶の出し方はビジネスマナーとして基本的な事なので、正しい方法をしっかり覚えておきましょう。
お茶出しの意味
お茶出しには、お客様に対して、おもてなしの意味があります。
のどの渇きを癒していただく、くつろいでいただく、ほっとしていただくというおもてなしの心が込められています。
お茶の出し方
お茶の用意
①茶碗にお湯を注いで温める
お茶を冷めにくくするため、最初に茶碗にお湯を入れて温め、その後中のお湯は捨てます。
②茶葉を蒸らす
急須に茶葉を入れてからお湯を注いで、1分間蒸らす
③茶碗にお茶を入れる
お茶の濃さが均等になるように、少しづつ順番に入れていきます。
お茶の量は7文目を目安に入れます。入れすぎすと運ぶときにこぼれてしまうので注意してください。
④茶碗と茶托は別々にお盆に乗せて準備する
お盆にお客様と自社の社員を合わせた人数分の茶碗・茶托をのせます。
茶碗と茶托はセッティングせず別々に置きます。茶托は重ねても大丈夫です。
運ぶ際にこぼれたりする恐れがあるので、キレイな布巾を用意して一緒に乗せておきます。
お茶の配り方
①ドアをノックしてから部屋に入る
お盆は胸の位置で持ち、ドアをノックしてから「失礼します」と声をかけて会釈し、部屋に入ります。
②お盆をサイドテーブル又は下座のテーブルに置く
サイドテーブルが無い場合は下座にお盆を置きます。
③お客様の右後方から「どうぞ」と一言添えて、お茶を置く
湯呑みの底を改めて綺麗な布巾で拭きながら、お茶碗を茶托にセットしてお茶を置いていきます。
茶碗の向きは正面(絵柄)がお客様側、茶托が木製の場合は木目がお客様から見て横に流れるようにします。
会議室が狭くて相手の後方に回れない場合は、「前から失礼いたします」と一声かけてお渡ししましょう。相手の方に接触しないように注意します。
④お盆を持ち、会釈して退室する
お盆は表側を体の方に向け、男性なら左脇で持ちます。左手はお盆の下を持っておきましょう。
応接室の扉の前で、お客様に向かって「失礼いたしました」とお辞儀をします。
静かにドアを開けて外に出たら、お客様の方を向きもう一度頭を下げ、下げたまま静かにドアを閉めます。
お茶出しのポイント
・相手が複数人いるとき
お茶を出す順番はお客様→自社社員、の順です。
お客様が大勢の場合は、「上座」(部屋の一番奥)に座っている方からお出ししましょう。
・テーブルがいっぱいのとき
テーブルが資料などでいっぱい時は、自社社員に「どちらにお出ししましょうか?」尋ね、スペースを確保してもらいましょう。
・2杯目のタイミングは1時間後
1時間以上超えたら、新しいお茶をお出ししましょう。会話の邪魔にならないように落ち着いた状態を見計らって出します。
入れ直しの場合は、一般的に茶托ごと下げて新しい湯飲みと茶托を出します。
・湯呑みにデザインがある時の向き
柄がないもの、全体的に柄があるものは、向きを気にせず置けます。一箇所に柄がある湯のみは、来客者から見て正面に柄が来るように置くことを押さえればOKです。
・お茶と一緒にお菓子を出すとき
お茶と一緒にお菓子を出す時は、お菓子を先に出します。
お客様から見て左側にお菓子、右にお茶がくるようにします。
・暖かいお茶以外を出すとき
「コーヒー・紅茶」
カップの取っ手は右側にし、スプーンやミルク、砂糖はソーサーの手前に置きます。
・冷たい飲み物
コースターは一人にひとつずつ用意します。ひとつコースターを置いたらグラスを乗せ、次の方のコースターを置くという流れで出します。暑い日は熱いお茶より冷たい飲み物の方が喜ばれます。
「ペットボトル」
ペットボトルでお客様にお茶を出すことは決して失礼ではありません。夏場であればある程度冷やした上で出すと良いでしょう。
ペットボトルに紙コップを添えるときは、ホコリなどが入らないように上からかぶせた出し方をすると、より丁寧な印象を与えられます。
まとめ
いかがでしたか?慣れないうちは緊張したり、なかなか大変かと思います。
最初は慌てず落ち着いてひとつひとつ確認しながらゆっくり行動していきましょう。
お茶出しはマナーも大事ですが、一番重要なのはおもてなしの心です。
おもてなしの心を持って丁寧にお茶出しをすればきっと相手にも伝わり、良い印象を与えてくれるでしょう。