※illustration:Nagisa Hamada
女性の40代は更年期などのホルモンバランスの乱れが気になる世代。実は、歯や口腔内もホルモンバランスの影響を受けやすい部分です。大人のおしゃれ手帖7月号では、歯科衛生士・ETERNAL SMILE代表の内田佳代先生にお話を伺いました。
「歯の健康は全身の健康と深いかかわりを持つことが近年明らかになってきています。噛み合わせの不具合や金属の詰め物による症状は多岐にわたり、全身に表れます。5年、10年と長い時間を経過して表れることが多く、医科歯科との連携治療がないと原因の特定が難しいのが現状です」。
さらに、大人世代の口の中を読みとくキーワードも教えていただきました。
ドライマウス
乾燥した口腔内は細菌が増加しやすく、口臭や虫歯、歯周病のリスクが高まります。重度になると嚥下(えんげ)障害や味覚異常を伴うことも。「口臭があっても自覚がないことが多いので、気になる方は歯科医院で判断を仰ぐことで精神的に安心するはず」(内田先生)
歯科金属によるアレルギー
「アマルガムやパラジウムをはじめとする金属の詰め物により、体内に有害ミネラルが蓄積。老化を促すことやアレルギーの原因になることがわかっています」(内田先生)。重金属の蓄積により、皮膚炎や腰痛、全身の倦怠感、心身症など、歯科金属が直接触れる口の中とは限らず、全身におよびます。
知覚過敏
一過性の痛みのため放っておきがちですが、露出した象牙質の象牙細管が広がり痛みが増加することも。歯科医院では歯茎にアプローチした対策をとったり、フッ素などで歯の表面をコーティングしてもらうことも可能です。
加齢による口腔内の変化、長年の悪癖の蓄積は口だけの問題ではありません。
歯はお手入れのしがいがあるパーツ。詳しい予防・対策については、本誌86ページからの「大人の『口の中』最新事情」でご確認を。