高血圧は病気じゃない!?「年齢+90mmHg」が本当の適正値という説!

血圧の正常値は30年ほどの間に20mmHgも下がり、現在、上の数値が130mmHg以上の人は高血圧予備軍、140mmHg以上の人は高血圧と診断されています。
ですが、この基準値だと、日本の成人の約半数が高血圧となってしまう異常事態に。
これって、本当なのでしょうか。



230万人だった高血圧患者が30年で24倍の5,500万人に!
日本の成人の約半数が高血圧という異常事態

厚生労働省が発表している国民健康・栄養調査等によると、1987年の高血圧の基準値は160mmHgでした。
それがぐんと下がり、現在、120~129/85~89mmHgが正常値、130~139/85~89mmHgが高血圧予備軍、140/90mmHg以上が高血圧となっています。
これにより、1987年には230万人程度だった高血圧患者が、現在5,500万人と、なんと約30年で24倍近くも増えています。日本の20歳以上の約半数が高血圧であるということになり、異常な状態であるように感じます。

<現在の血圧基準値>

  最高血圧(mmHg) 最低血圧(mmHg)
正常値 120~129 85~89

正常高値
(高血圧予備軍)

130~139 85~89
高血圧 140~159 90以上

そもそも人間は、重力がある地球上で暮らす生き物です。しかも、ほかの哺乳動物と違って二足歩行の人間は、頭の位置が高い場所にあるので、心臓から頭のてっぺんまで血液を送り届けるためには、しっかり圧力をかけて勢いよく血液を送り出さなくてはなりません。
たとえば、頭の位置が低いライオンの血圧は110~120mmHgと低め、首の長いキリンは160~260mmHgという高い血圧でうんと高い位置にある頭にまで血液を送り届けています。
このことからもわかるように、人間には人間の、そしてその年齢に合った血圧を自然と調節しているのです。

50歳以上の本当の適正値は「年齢+90mmHg」
中高年以上はちょっと高めがちょうどいい

わたしたちの体は、生命を維持するために、つねに自らで血圧を絶妙に調整しています。これは、人間が生まれながらにして持っている自然治癒力のひとつ。
たとえば、風邪をひいたときに鼻水が出るのは、鼻水を出してばい菌やウイルスを洗い流しているように、血圧が上がったり下がったりするのにも、ちゃんと意味があるのです。

まして、年をとると血管はどうしてももろくなるので、動脈硬化を起こした場合、血管内壁はどんどん狭くなります。ゆえに、頭のてっぺんまで血液を送るには、当然のことながら血圧を上げる必要があります。
つまり、年をとって血圧が上がるのは、病気なのではなく、体が必要だからそうしている自然の成り行きなのです。

さて、それでは、本当の血圧適正値とは一体いくつなのでしょう。

先に述べた現在の血圧基準値には、「人は年をとる」という概念が欠けています。20代と80代では、食べるものも運動量もまったく違います。にもかかわらず、20歳以上をすべて成人とひとくくりにして、20代も80代も同じ基準値に当てはめるのは無理があると思いませんか?

血圧の本当の適正値は「年齢+90mmHg」です。
たとえば、50歳なら+90=140mmHg、80歳なら+90=170mmHgとなります。

<真の血圧適正値>
年齢+90mmHg 

50歳→ 140mmHg
60歳→ 150mmHg
70歳→ 160mmHg
80歳→ 170mmHg

180mmHg以上の高すぎる血圧はこれに当てはまりませんが、高齢者の場合は160~180mmHgまでは問題ありません。
また、血圧は誰でも1日の中で上がったり下がったり変動するものなので、最高血圧180mmHg/最低血圧105mmHgより下の範囲内であれば、3ヵ月ほど様子を見て、その間、いつ測っても160/95mmHgを超えているようなら、病院を受診しましょう。

高血圧で発症リスクが高まる脳溢血は激減している
降圧剤を飲む必要はまったくなし!

そもそも、なぜみんな、こんなにも高血圧を恐れているのでしょうか。

それは、死に直結する脳卒中のリスクがあるといわれているからでしょう。
だから、「高血圧を放っておいて脳卒中になって命を落とす前に、降圧剤を飲んで血圧を下げましょう」と治療を勧められます。

脳卒中には、脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳溢血(脳出血)」、くも膜という髄膜の下が出血する「くも膜下出血」の3種類があり、それぞれ原因が違います。
このうち、高血圧で発症リスクが高まるのは脳溢血です。そして、昔は脳卒中を起こした人の実に80%が脳溢血でした。
ですが、現在、脳卒中を起こした人のうち脳溢血だった人は30%まで下がってきています。脳溢血を予防するのであれば、血圧が高くなると血管が破れる恐れが大きくなるので、医者が「血圧を下げましょう」というのは理解できます。ですが、今の日本は大幅に栄養事情がよくなり、日本人の脳の血管は丈夫になってきているので、血管が破れることはめったにありません。

その代わりに増えたのが脳梗塞で、脳卒中を起こした人の60%を占めるようになりました。
脳梗塞は、脳の血管内に血栓ができ、血流が詰まることによって起こる病気です。脳梗塞の引き金となる血栓ができると、体は血圧をみずから上げて、血栓を押し流すために血流の勢いを強くします。
つまり、わたしたちの体は、脳梗塞にならないよう自然に血圧を調整してくれているのです。その状態で降圧剤を飲むと、血流を思うようにコントロールできなくなり、結果、脳の血管が詰まり、脳梗塞を引き起こしてしまうというケースが激増しているのです。

これまで、「高血圧が脳梗塞を起こす」と思って降圧剤を飲み続けていた人は、一度、立ち止まって考え、自分の体の自然治癒力を信じて、降圧剤をやめることを検討してみましょう。
もちろん、これまで飲み続けていた薬を一気に全部やめてしまうのは怖いものです。そういう場合は、徐々に減らしていくということでも十分です。

TJ MOOK『血圧は高めがちょうどいい』では、血圧に関する真実をわかりやすく解説しています。
血圧は個性。背の高い人、低い人、運動が得意な人、本を読んだり、絵を描いたりするのが好きな人がいるように、血圧もその人その人に合ったものをみずから調整しています。
自分の体を信じて、血圧の数値に敏感になりすぎず、おおらかな気持ちで毎日を過ごせば、きっと自分の血圧との上手なつきあい方が見えてくるでしょう。

※こちらの記事はTJ MOOK『血圧は高めがちょうどいい』に基いて制作しています



TJ MOOK『血圧は高めがちょうどいい』

監修:松本 光正(サン松本クリニック 院長)

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