【香川県 直島】アートの島でゲストハウスの起業という夢を叶えた夫婦の話

「瀬戸内国際芸術祭」の開催など、アートの島として知られる、香川県の離島・直島。
そこはアートを媒介に、島ぐるみで積極的に移住者支援を行う、田舎暮らしを望む者にとっても理想的な土地であった。
カメラマンや漫画家など、「表現」に携わる移住者がいきいきと活動する、この島でかねてからの夢だった、ゲストハウス兼カフェのオーナーとして、第2の人生を切り開いた1組の夫婦の姿を追った。

☆詳しくは『田舎暮らしの本』2018年1月号に掲載☆

 

■岡山県のアパートからフェリーで通いながら準備

東京でテレビ番組の美術スタッフをしていた川﨑光紘さん(34歳)・菜美さん(32歳)夫妻は、2016年12月に直島に移住。ゲストハウス兼カフェのオーナーとして起業を果たした。
屋号の「フランコイル」は、スペイン語とフランス語を組み合わせて2人で考えた「素直な島=直島」という意味の造語。大学で建築やインテリアを専攻していた菜美さんにとって、直島との出会いは衝撃的だったという。
「大学1年のときに、実家が岡山県にある友人の誘いで、たまたま観光で訪れたんです。建築界では雲の上の存在だった安藤忠雄の作品が、さりげなく民家の路地にあったことに、それはもう驚いて。生活のエリアに、芸術が当たり前のように溶け込んでいる島という印象でした」


「家プロジェクト」の第1号である「角屋」や、安藤忠雄の仕事をまとめた空間「ANDO MUSEUM」が徒歩圏内

時は経ち、光紘さんと職場結婚。30代を目前に「仕事か子育てか」と将来を考えたときに、脳裏に浮かんできたのが直島の美しい風景だった。
もともと旅好きだった2人には「いつか理想のゲストハウスをつくる」という共通の夢があったため、自然な流れで移住を選択。
町が運営する空き家バンク制度「直島カラーズ」に土地の紹介を依頼し、約100坪を購入。当時申請した香川県の移住者起業支援補助事業で、100万円の助成も受けた。
そこから半年間ほどは、同級生の母親が経営していた岡山県玉野市のアパートを借り、フェリーで通いながらの開業準備。
「ゲストハウスは2部屋にして、僕と妻でそれぞれプロデュースしました。昔からあった井戸のおかげで建築面積が限られたり、最初に依頼した建築会社が倒産したりして何度か壁にぶつかりましたが、制約の中で作品づくりをするのは美術スタッフのときと同じ」と、クリエーター根性を発揮して、困難を乗り越えた。


裏手の雑木林を効果的に見せる高窓の配置もさすが。こちらの客室は、菜美さんのプロデュース

じつはこの成功の裏には、地元の主婦、汐瀬典子さん(65歳)の強力な支えがある。
息子である向晟(こうせい)くん(8カ月)のベビーシッターと、外国人客の案内を無償で買って出てくれたのだ。
「瀬戸内国際芸術祭で英語ガイドのボランティア活動が終わって瀬戸芸ロスだったところ、新しい生きがいが見つかりました」と、うれしそうな汐瀬さん。


 「ウチには孫がいないので、こうちゃん(向晟くん)の面倒が見られて幸せ!」(汐瀬さん)

「地元の人が新しいことに興味を示してくれるので、やる気も出ます。離島とはいえ、スーパーマーケットや診療所、保育園から小・中学校までそろっているので、ほとんど不便さは感じません。早く宿やカフェの営業にも慣れて、たくさんの人を楽しませたいです!」と、川崎さん夫妻の気合も充分だ。

 


フランコイル
住所:香川県香川郡直島町953-2
TEL:090-4375-1979
https://www.francoile.com/

今回の例は、夢を叶えた本人たちの勇気と決断力もさることながら、それをサポートする行政のシステムや地域の人々の協力、それらが全て有機的に繋がった、まさに地方移住の理想的な形と言えるだろう。
さて、『田舎暮らしの本』1月号では、「いま注目の移住地ベスト30」と題して、今回紹介した直島以外にも、医療が充実した町や、子育て家族への支援が手厚い町など、さまざまなおすすめの移住地をご紹介しているので、是非ご一読頂きたい。

文・写真/吉野歩
編集/宝島オンライン

※誌面画像の無断転載はご遠慮ください

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