念願の馬と暮らす生活を手にした女性

日常の喧騒から離れて、広い大地で悠々と暮らしてみたい。誰でも一度は、そんな生活に憧れたことがあるのではないでしょうか。田舎暮らしの本1月号では、そんな夢のある暮らしを実現し、お金に頼らず琵琶湖畔でのびのびと馬と暮らす女性の生活に密着しました。

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かつて「馬になりたかった」という少女は、念願だった馬との暮らしを実現する。
電気、ガス、水道、トイレがない環境で、季節に応じて馬と移動する遊牧生活とは?

■杉野真紀子さん 43歳
滋賀県高島市で馬2頭と犬1匹と一緒に、電気もガスも水道もトイレもない環境でワイルドライフを送っている。日の出とともに起きて、馬の世話で1日が始まり、暗くなるまで馬と犬と静かに過ごす日々。

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幼いころは馬になりたかった!?
杉野さんは、小学2年生のときに『スーホの白い馬』というモンゴル民話を読んで、幼心に「馬になりたい!」と思ったという。帰宅して四つ足で家の中を歩き、自分に「アオ」という名前をつけていたそうだ。
「母もノリがよくて『アオ、新聞!』と命じるんです。それで私は『ヒヒーン』と鳴いて、新聞を取りに行ったりしてました(笑)」
そうはいっても、人間は馬になれないことを悟り、やがて二足歩行に戻ることになる。
中学生のときは、父の仕事の関係でブラジルへ移住。そこで初めて馬に乗って、とりこになった。
5年ほど過ごして帰国。大学に進学したときに鉄の馬(オートバイ)に乗り始め、卒業後の2002年から5年間、オートバイで世界一周をする。「海外では、馬をマンションの一室で飼っている人もいれば、公園を馬が当たり前に散歩している風景もありました。かつての日本も、馬がもっと日常に溶け込んでいたはずなんです。日本で馬を飼うことはできないと、自分で限界を決めていたことに気づき、馬と暮らすことを考え始めました」

馬2頭と犬1匹とともに「他給自足」の暮らし
子どものころの「馬になりたかった」という原点に戻ろうと、08年にモンゴルを馬で旅した。ツァータンというトナカイに乗る民族に会うには、ヘリコプターか馬でしか行けなかったのだ。ガイドを雇って馬3頭で15日間のツアーを満喫したあと、今度は自分の馬を買って、700キロを旅して、馬と暮らしていく自信を得た。
「帰国して、知人からシロを譲り受けて、念願の馬との生活が始まりました。最初は小さな農園の一角を借りて、馬はヤギ小屋で、自分はテントで暮らしていました」
その2年後、今度は乗馬クラブからブチを譲り受け、馬2頭と犬1匹の暮らしになった。
もっと広い土地があればと思っていると、土地を無料で貸してくれる人が見つかった。
「見渡す限り、ずっと無料で使っていいと言われました。元は田んぼで、背丈以上の草が生えていましたが、友人に頼んで重機で造成してもらい、ビニールハウスを購入して、そこで馬と暮らすようになったんです」
1年で働くのは3カ月までと決めていて、今は週に2日ほど英語の家庭教師をしている。
「たくさん稼いで、たくさん使う生活に疲れてしまったのかもしれません。馬のエサ代など、最低限のお金があればいい。あとは猟師の仕事を手伝ってイノシシやシカの肉をもらったり、それを別の人のところに持っていって野菜を手に入れたり、ご飯をごちそうになったり、お風呂を貸してもらったりしています。自給自足というより『他給自足』ですね。でもみんなが『何か必要なものない?』と聞いてくれるので助かっています」

■杉野さんの1カ月の支出
馬のエサ代、蹄鉄代  約3万円
ガソリン代  約1万円
食費、酒代  約3万5000円
合計 約7万5000円

文・写真/新井由己

詳しい情報は、本誌19ページからの「食、家、電気まで『自分でやる』を楽しもう!」お金に頼らない田舎暮らし」にてご確認ください。

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