先進国から文明国へ! 少子化日本を品質が救う?

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©宝島社 MonoMax5月号

 少子化により、数十年後には先進国ではなくなるのではないかと囁かれている日本。このままいけば、経済大国なんて言われたのは今は昔、無人と化した街がそこここに現れ、貧富の差は増すばかり……という状況が現実のものとなる。大企業が大企業であるために、既に合併を繰り返しているのがその証だ。
「ピラミッド型」が「釣鐘型」に変わった人口分布図を見て、裏の意味を考えるべきだったのだ。今の教科書には新たに「壺型」が加わっているのをご存知だろうか。高齢者が多く、子どもが少ない今の日本を表す壺の形。いつしか釣鐘型ではなくなり、新たな言葉が必要になったということだ。

 この状況を悲観的ではなく前向きにとらえ、ではこのまま日本で暮らし続けるとしたらどのような状況がベストなのかを勝手に妄想してみた。
 現代はまさに情報過多。すべてが飽和状態にあり、人々の嗜好が分散しているため、マスが見えづらい状況にある。新しいものが生まれてもあっという間に類似商品が雨後の筍のように出現し、オリジナルの価値は失われていく。
 そもそも需要が分散してしまっているにも関わらず、企業は以前と同じレベルの数字を社員に求める。すると、小さな利益を生むものをたくさん作るという状態に陥り、社員の仕事量は増加、それに伴い英気は削がれ、クオリティが落ちていくという魔のループができあがる……。最近こんな会社の話をよく耳にする。

 人がどんどん減っていくというのに、こんな小手先のビジネスモデルが長く続くはずなどない。それでは人口が減った日本においてどのようなビジネスモデルが成り立つのだろうか。
 小さな利益を生むものをたくさん作るという考え方を真逆にして、大きな利益を生むものを少しだけ作るというのはどうだろう。毎日の生活に苦しむ人がいる一方、金が有り余って仕方がないという人々も確かにいる。本物に巨額を投じる富豪たちが世界には確かに存在するのだ。ネットの出現により、世界との距離がぐっと近くなり、B to Cの関係がじわじわ広がりつつある今、世界中の富豪相手に商売することだってできるのだ。

 その富豪を相手にするには、やはりクオリティをあげるしかない。「日本製は品質がいい」は嘘ではないと思う。徐々に変わりつつあるようにも感じるが、やはり手先の器用さや真面目さは民族性。それが日本人の個性であり、ブランド化できる部分なのではないか。
 高い、でも仕方がないメイド・イン・ジャパンなのだから。この方程式を成り立たせるには、やはりクオリティをあげるしかない。

 MonoMax5月号では『メイド イン ジャパン 長く愛せる傑作定番!』と題して、高品質な日本製製品を紹介している。私が愛してやまない名ブランド、ループウィラーも登場。和歌山で姿を消しつつあった旧式の吊編み機を蘇らせ、時間をかけて丁寧に作り上げた生地は極上の着心地で、国内外からラブコールが絶えない。ビジネスとして成立しているのだ。

 日本人の特性を活かした少人数の精鋭部隊は、先進国から文明国へと異なるベクトルの進化をもたらすかもしれない。こだわりの強い職人気質を伸ばすことが少子化の日本を救うのではないだろうか。

撮影:西村廣起
スタイリング:小孫一希
文:藤原 綾

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