「向精神薬は覚醒剤と同じ!」 医師が危険性を警告

内科医・漢方医として向精神薬の断薬治療を手がけ、『精神科は今日も、やりたい放題』などの著作で知られる内海聡医師。宝島5月号では、「向精神薬は麻薬や覚醒剤と同じ」と言い切る内海医師に、その危険性と依存性を尋ねた。(取材・文:古川琢也)

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 今年3月、厚生労働省研究班の調査により、ADHD(注意欠如・多動性障害)などと診断された子どもに対して、本来大人用の向精神薬を処方する例が02年頃から急増する傾向にあることが判明しました。
 厚労省は「子どもを対象に効果や安全性を確かめる治験を進めるべきだ」と言っているようですが、すぐにでも全面禁止すべきです。
そもそも向精神薬は刺激剤系と鎮静剤系に大別されますが、前者にはコカインのほか覚醒剤に指定されているアンフェタミンやメタンフェタミンが、後者にはヘロインやアヘン、モルヒネといったオビオイド系の薬物が含まれています。これらがセロトニンの取り込みを阻害したり、ドーパミンを刺激したり、ノルアドレナリンを抑制したりするメカニズムで、服用した人の気分がハイになったり、トロ~ンとしたりする。
 つまり覚醒剤や麻薬に似ているどころの話ではなく、成分の面でも作用の面でもほとんど同じものなのです。

 では、どうしてそんなものが子どもに使われているのかといえば、ADHDの子ども──ほとんどの場合、ちょっと落ち着きがないだけの正常な子どもに過ぎませんが──にこうした覚醒剤まがいの薬を投与すれば、薬が効いているわずかな時間だけは集中力は増し、落ち着きががあるように見えるから。それだけです。
 そもそも大人であろうが子どもであろうが、向精神薬はいくら飲んだところで、その人の心の病気は治りません。治った人がもし本当にいるのであれば、教えて欲しいくらいです。
向精神薬を飲んだおかげで「うつが治った」と思いこんでいる人たちは確かにいるかもしれません。でもそういう人たちの多くは、薬を飲んでいた短期間にうつの本当の原因だった生活環境が変わって社会ストレスそのものが軽減されたか、そうでなければ単に今も薬を飲み続けているだけです。薬が効いている間は精神状態が安定しているように感じられても、やめれば禁断症状が出て苦しくなるから、いつまでたってもやめられない。麻薬依存症とどこが違うんでしょうか?

 いいことが何もないので「副作用」と言うのも本来はおかしいのですが、向精神薬の中でも抗うつ剤は、03年頃まで危険な副作用が何もないかのように言われていました。
 しかし抗うつ剤やそれとほぼ同じ組成のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)により、アクチベーション・シンドローム(自殺企図や他人への攻撃性などの異常行動)が引き起こされることは、今では厚労省さえ認めています。
 抗うつ剤の服用者には、高いところから飛び降りる人が多い。私自身、抗うつ剤を飲んで飛び降り自殺を図った末に生き残った人を3人ほど知っています。彼らに飛び降り当時の心境を尋ねると、皆が「その時は多幸感に包まれていて、衝動的に飛び降りてしまった。死ぬことへの恐怖感は全くなかった」と語っていました。衝動が他人への暴力に向かえば、最悪の場合は殺人ということもあります。
 製薬会社が大手メディアの広告主になっている日本ではまずありえないことですが、欧米諸国では凶悪犯罪が起きた際に、犯人が服用していた薬が商品名も含めて報道されることが珍しくありません。
抗うつ剤が凶悪事件を誘発した可能性が指摘された最も有名な事件が、99年にアメリカのコロラド州の高校で13人が殺害され、24人が重軽傷を負ったコロンバイン高校銃乱射事件です。
この事件では、最終的に自殺した犯人2人組のうち1人の死体からルボックスというSSRIの成分が大量に検出されました。事件後に被害者の遺族が製薬会社を告訴し、裁判では犯行とルボックス服用との因果関係は立証されませんでしたが、ルボックスは02年に一時的に販売中止になっています。

詳しい情報は、本誌52ページからの「日本一過激な医師・内海聡が警告!」にてご確認ください。

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