突如女優を引退の益戸育江。石垣島で暮らす、今を語る

「暖かい田舎に住みたい!」という人は多い。田舎暮らしの本3月号では、そんなニーズに応えて、日本全国の温暖地を大調査! 今回は、人気絶頂の最中、突如テレビドラマ『相棒』を降板し、女優としての活動を休止したナチュラリスト・益戸育江さんのインタビューをお届けします。移住した石垣島に何があるのか、51歳という若さにして自身を「隠居の身」だというその心境について迫ります。(文/堂井眞人  写真/長谷英史)

 4d60932113a4551d339a9bc6a9aff517.jpg

  石垣島随一の観光スポットである 川平(かびら)湾を、真っ黒に日焼けした益戸育江さんが歩くと観光客の人たちから声がかかる。「いつも見てるわよ。たまきさん、帰ってこないの?」。言わずと知れたことだが「たまき」というのは、大人気ドラマ『相棒』で彼女が演じていた主人公の元妻の名前だ。
  2011年、益戸さんはこの役を降板し、石垣島に移住した。
  今まで女優として築き上げてきた地位を捨て、大ヒット作の当たり役を捨ててまで石垣島に移住する価値とは何なのだろうか。
「感覚的には隠居という感じなんです。17歳から芸能界にいて、やりきった感があったんです。女優としての引き際は美しくありたいなっていうのもありましたし、芸能界みたいなところだと人の強欲さとかエゴが結構すごくて、精神的に疲れちゃった部分もあります」
  一方で、自分がこれまでやってきたことにエゴがなかったかといえば嘘になるとも話す。イルカセラピーの先生になるためにフリーダイビングに打ち込み、海外に拠点を移して練習を始めて1年で世界2位まで上り詰めた。しかし、その間に日本の海の汚さや、ツアー会社が船でイルカを追い回す姿を見て思い悩んだ。帰国後には千葉県房総でオーガニック農法の自給自足生活を目指したが、「どうせ女優だし、遊び半分だ」と言われ、ようやく形になりそうなところで東日本大震災と原発事故の影響によって頓挫することになる。益戸さんの自然と融和する未来をつくりたいという思いは、立て続けに打ち砕かれた。
「結局、私自身が自然の法則や摂理についての理解が足りなかったのだと今では思います。理想や希望ばかりが先走りすぎてしまってね」

 石垣島に移住して、まず始めたことは開拓だった。2011年に移住してから荒れ地を自らの手で切り開き、今月ようやくオープンすることになった「虹の豆」は、4棟のログハウスにカフェと果樹園を併設したリゾート施設だ。
「私がここを見つけたときには荒れ放題でした。石垣の荒れ地ですからまさにジャングルで、キャンピングカーで1カ月以上1人で寝泊まりして切り開いていったんです」
  しかし理想だけではどうにもならなかった。そんなとき、1人で奮闘する益戸さんを見かねて助けてくれる人がいた。そして、それは次第に1人、2人と増えていった。
「今思えば絶対1人じゃできなかったでしょうね。手伝ってくれたみなさんには本当に感謝してもしきれないぐらいありがたかったですし、いろいろと学ばせていただきました。昔は原理主義者というか、例えば『添加物は絶対ダメ』とか、行きすぎていた部分もあった。今回、一緒に『虹の豆』をつくってくれた方にも、最初に会ったときは、『ああ、土建屋さんね、環境破壊している人ね』みたいな失礼なことを言ってしまうくらい凝り固まっていたんです」
  ―じゃあ育江ちゃんはボロボロになった地球を、手だけでなんとかするんだね。
  そんなことを言われて目が覚めた。
「理想を追い求め自力でなんとかしようとしていた自分の小ささ、それに気づけたのは、この場所をつくり始めていろいろな方の力を借りながら学んだ結果なんです。今後は学んだことを踏まえながら、この場所をよりよい場所に育て上げていきたい」
  それが隠居の身ながらも、新たなチャレンジなのだと益戸さんはうれしそうに笑った。

詳しい情報は、本誌18ページからの「暖かい田舎に安く住む」にてご確認ください。

田舎暮らしの本3月号の情報はこちら!

雑誌・ブランドから探す

  • 大人のおしゃれ手帖
  • GLOW
  • &ROSY
  • MUSE
  • InRed
  • sweet
  • リンネル
  • SPRiNG
  • steady.
  • mini
  • smart
  • MonoMax
  • 田舎暮らしの本
  • kuraline
  • 宝島チャンネル
  • オススメ
  • カルチャー
  • その他

宝島オンラインを購読する

Twitterでフォロー

@treasurestkj

RSSで購読

RSSファイル

follow us in feedlyfeedlyで購読

メルマガを購読