[今夜GPシリーズ開幕]羽生の5回転は夢じゃない!? フィギュアスケートは●回転まで跳べる!

■年々増えているジャンプの回転数

本日、10月20日(金)から「グランプリシリーズ2017(GPS)」が開催されます。来年には平昌オリンピックが控えているシーズンだけに、目が離せないフィギュアスケート。中でも最大の見どころは、やはり高い身体能力が必要とされるジャンプです。

今さらですが、フィギュアスケートのテクニックの進歩には、目を見張るものがあります。ひと昔前までは3回転ジャンプを成功させるだけでも「スゴい!」といわれたものですが、今では4回転はあたりまえ。さらにソチオリンピックに続いて男子シングル2連覇が期待される羽生結弦選手は、「科学的には5回転ジャンプも不可能ではない」といっているくらいです。

■回転のカギを握る「角運動量保存の法則」

では物理的に見て、フィギュアスケートのジャンプは何回転まで可能なのでしょうか?

回転ジャンプをするとき、フィギュアスケートの選手は、腕を体に密着させて跳んでいます。これは回転速度を上げるからで、ジャンプしてから着氷するまでの滞空時間が同じなら、回転速度が速いほうが、より多く回転することができます。

 

なぜ腕を体に密着させると、回転速度が上がるのでしょうか? 物理的な見方をすると、回転している物体の「回転の勢い」は、「角運動量」という物理量で測ることができます。
角運動量は、回転している物体の回転軸からの距離(フィギュアスケートの場合、腕を伸ばしている長さなど)×物体の質量×回転速度で求めることができます。そして角運動量は、物体に外から回転を変えるような力が加わらない限り変化しないというのが「角運動量保存の法則」です。 

つまり回転の勢い(角運動量)が同じなら、腕を大きく広げるよりも、小さく折りたたんだほうが、回転速度がアップすることになります。スケートの場合、ジャンプよりスピンを見たほうがわかりやすいかもしれません。腕を横に伸ばして回転している状態から、腕を体に引きつけたり真上に伸ばしたりすると、急に回転速度が速くなっていくのがわかります。

■ジャンプの回転数の限界は?

では、フィギュアスケートのジャンプの回転数は、どこまでのばせるのでしょうか? もっとも跳びやすいとされているトウループジャンプで考えてみましょう。

滞空時間0.77秒、高さ約73cmで4回転ジャンプをしている選手がいるとします。折りたたんだ腕の重心と回転軸の間の距離はおよそ20cmとします。この選手のジャンプ能力と回転速度が10%アップして滞空時間が0.85秒に延びると、高さは80.3cmになり、空中で4.47回転できる計算になります。これだと、ほぼ4回転半ジャンプは可能になりそうです。現在の4回転と同じ回転速度で5回転するには、高さ約110cmのジャンプが必要ですが、これも技術と身体能力の向上を考えれば、現実的に可能な範囲といえるでしょう。

この選手の回転速度も増していくとすると、6回転なら高さ110cm、7回転なら約130cm、10回転ならなんと約180cmのジャンプが必要になります(下の表参照)。

垂直跳びの世界記録が約130cmですから、さすがに10回転は無理ですが、フィギュアスケートには助走があることを考えれば、なんとか7回転ジャンプは実現できそうです。

もちろん、選手の能力が現在の2倍くらいまでアップし、ジャンプの美しさや見事に着氷が決まるかどうかを度外視すれば、ですが。

単行本『図解 ヤバすぎるほど面白い 物理の話』は、このように「風船をいくつつければ家が空を飛ぶ?」「地球の自転を止めるとどうなる?」「となり町まで届くリモコンはつくれる?」といったありえなさそうなトピックを科学的に検証し、その基本になっている物理法則などを解説しています。

一見、意味もないようなことを真剣に考える、物理のヤバすぎるほどの面白さを、この一冊で堪能してみてはいかがでしょうか。

『図解 ヤバすぎるほど面白い 物理の話』

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