介護殺人。遺族の意向で事件化されない、「封印された死」の真相

高齢化が進む日本で起きている「介護殺人」「介護心中」。通常の殺人事件と同じレベルで起きているといわれながら「事件化」を嫌う遺族の意向で、それらの多くが封印されている。宝島3月号では、その知られざる実態に迫る。(取材・文:宝島編集部)

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 高齢化が進む日本において、「介護殺人」「介護心中・自殺」がどれくらい起きているのか。
結論から言えば、日本に介護殺人の実態を正確に捕捉した統計資料は存在せず、介護苦が背景にある殺人・心中・自殺未遂・自殺関与事件をすべて合わせれば「おそらく年間1000件以上」といった極めてあいまいな認識にとどまっているのが実情だ。
 しかし、近年の殺人件数は認知件数ベースで1000件を下回っている。表向きの「殺人事件」と同じくらいの介護殺人・心中事件が起きているにもかかわらず、その実態がブラックボックスになっているとすれば、大きな問題と言わざるを得ない。

 新聞報道などでは「介護殺人は年間50件程度で推移」とされているが、その根拠となっているのは警察庁が発表する犯罪統計だ。警察庁は2007(平成19)年より、直接の動機が「介護・看病疲れ」であった殺人事件の事件数を公表している。
 「平成24年の犯罪」によれば、検挙された殺人事件884件に対し、介護・看病疲れが動機だったとされる事件は41件。また、同年に同じ動機から自殺した人は292人だった。
もっとも、これらの数字は「全体の一部に過ぎない」と指摘するのは『介護殺人』(クレス出版)の著書がある湯原悦子・日本福祉大学准教授だ。
「警察庁の統計は遺書が残されていたり、加害者が介護に疲れたと供述するなど、警察が『原因は介護疲れ』と認定したケースだけです。また心中事件で加害者も死去している場合などは、穏便な事後処理を望む遺族の意向などから、そもそも事件として処理されないこともあり、実際の介護殺人は統計の数字より確実に多いと考えられます」
老いた妻を介護する夫が、介護を苦に妻を殺害、自らも命を断つ──そうした事件がすべて報道されているわけではなく、警察も「介護心中」以上の事件性がないと認めた場合には「痛ましいできごと」として、あえて真実を公表しない。
 また、介護の問題と同時に借金や親族間トラブルなど殺人に至る別の動機があった場合、それが「介護殺人」としてカウントされるかどうかは、ひとえに警察や厚労省の担当者の主観で決まる。介護・看護疲れの殺人件数が統計上、少なくなる理由がここにもある。

さらに詳しい情報は、本誌38ページからの「最新!! 日本のタブー2015 日本の『介護殺人』その知られざる実態」にてご確認を。

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