“白い恋人は置いていく” GINZA SIX進出まで石屋製菓10年の歩み

■「GINZA SIX」行列の先の
限定スイーツとは……?

2017年4月20日(木)、銀座最大の商業施設としてオープンした「GINZA SIX」。
銀座6丁目の目抜き通りに生まれた地下6階、地上13階建ての超大型施設には、ハイクラス・ハイクオリティなテナントが241軒入り、連日多くの人でにぎわっています。
その地下2階・フードコーナーにある、ひときわ目立つ長蛇の列。その先にあるのが「ISHIYA GINZA(イシヤ ギンザ)」――「白い恋人」でおなじみ、石屋製菓の北海道外初となる直営店です。

人々のお目当ては、もちろん「白い恋人」!
……ではなく、サクッとした軽い食感のラング・ド・シャにさまざまなフレーバーのチョコレートを挟んだ銀座店限定品。その名も「サク ラング・ド・シャ」。


↑「サク ラング・ド・シャ」12枚入り1,200円

開店から2カ月以上経った現在もなお、開店直後に売り切れるほどの大人気となっています。

 

■「恋人は置いてきました。

石屋製菓の看板商品は「白い恋人」。1日の製造枚数は83万枚、年間売上130億円。1976年の発売以来、北海道の定番土産として多くの人々に愛されてきました。

しかし、そんな「白い恋人」を銀座店では敢えて封印。
「GINZA SIX」オープンにあわせて石屋製菓が掲載した新聞広告には、こんなキャッチコピーが踊っていました。 

「恋人は置いてきました。」


↑4月20日 読売新聞東京版広告

石屋製菓は「白い恋人」の販売を、「北海道限定」にこだわります。「白い恋人」が北海道土産として絶大な人気を誇る背景には、そうした「限定感」があるのです。

「白い恋人」が北海道限定なら、「GINZA SIX」では銀座限定の新商品を――。

石屋製菓は、北海道外初の直営店を出すにあたって、銀座限定の新商品を開発することにしました。

「『GINZA SIX』限定の『サク ラング・ド・シャ』は、北海道産素材にこだわり、札幌の自社工場で焼き上げたものです。
『銀座にいながらも一歩足を踏み入れると北海道を感じられるお店』をコンセプトに、北海道にこだわった商品を取り揃えています」
(石屋製菓 広報担当者)

なぜ、石屋製菓はここまで北海道にこだわるのか――。

その背景にあるのは「北海道のお客様に恩返しをしたい」という想いでした。

今をさかのぼること10年前の2007年8月。
「石屋製菓が『白い恋人』の賞味期限を改ざん」というニュースが新聞各紙で報じられました。
石屋製菓は全商品を自主回収。製造ラインは停止し、当時の社長が辞任するまでの大騒動に発展したのです。

そして約3カ月間の自主休業—――。

石屋製菓はこの間、「安心・安全」をスローガンに、客からの信頼を回復するべく、必死に改革をおこないました。

「食品の品質に対する世の中の目はどんどん厳しくなり、お客様の要望にきちんと応えられない企業は淘汰されているというのに、私たちはその変化に気付いていませんでした。そしていつしか『社内の常識が世間の非常識』となってしまっていたのです。(中略)

『白い恋人』はそれまで、外部包装や化粧箱だけに賞味期限が記載されていて、外部包装を解いて破棄すると、個々の商品の賞味期限の判別がつかないようになっていました。それが賞味期限偽装の温床にもなったわけです。

そこで、『白い恋人』の包装紙1枚1枚に製造年月日、賞味期限、ロット番号を印字しました。賞味期限が書かれているものはよくありますが、製造年月日が個包装にまで印字されているお菓子は非常に珍しいと思います。不祥事をまた繰り返さないという決意の表れでもありました。」

(『「白い恋人」 奇跡の復活物語』より)

ようやく迎えた発売再開の日――。

真っ先に「白い恋人」を買ってくれたのは、観光客ではなく、地元・北海道民でした。百貨店では長蛇の列ができ、新千歳空港の売り場では出張する人たちがお土産に購入。どの店舗でも即日完売が続いたそうです。
その光景に、石屋製菓の社員はみな、「北海道に恩返しをしたい」という想いを強くしたといいます。

今回の「GINZA SIX」出店にあたって、北海道産の素材にこだわった新商品を用意した石屋製菓。
その裏には、「遠く離れた場所に行っても、いつも心は北海道とともに」という北海道民へ向けたメッセージが込められているのかもしれません。

↑4月20日 北海道新聞広告。読売新聞東京版広告と対になっている


賞味期限改ざん事件から10年、「GINZA SIX」出店までの軌跡を描いた、
『「白い恋人」 奇跡の復活物語』

 

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