【ヨシダナギのココだけの話】アフリカは「恋人」ではなく「古女房」

※これまでのお話は「フォトグラファー?」でどうぞ

どうも、こんにちは。フォトグラファーのヨシダナギです。

よくトークイベントなんかで「日本にいる時は、やっぱりアフリカに行きたくて行きたくて仕方ないんですか?」とか、「常にアフリカのことを考えているとは思うのですが、具体的にどんなことを考えているんですか?」といった質問をされるのだが、正直に答えると私は寝ても覚めてもアフリカのことばかり考えているなんてことはない。

たしかにアフリカのことは大好きではあるのだが、私の愛のカタチはいわゆる熱烈ぞっこん型ではない。そもそも、何かを長時間想い続けるという感情そのものが私には欠如しているため、アフリカのことに限らず、日本にいる時は何も考えていない時間が圧倒的に多い。
もちろん、仕事中や取材でインタビューを受けている時などはいろいろと考えたりもするが、プライベートは常にボーッとしているため、恐ろしいほどにである。
時たま、自分は人間より植物に近いのではないかと思うほどだ。

ココだけの話、私は非常に熱しやすく冷めやすい性格である。
それ故に私は昔から、恋愛にしても趣味にしても、一度興味を持ったモノ全てに対して全力でぶつかっては、短期間で攻略しようと試みる傾向がある。そして、全力でぶつかって攻略できたモノに関しては満足するのと同時に、一瞬にして飽きてしまう。また、攻略できなかったモノや、やってはみたものの思いの外、つまらなかったモノなんかに対しても、たちまち興味を失ってしまう。
とにかく、短期決戦型のため、一過性のマイブームはあったとしても、趣味として定着するモノはあまり存在しない。

そんな熱しやすく冷めやすい私が、今もアフリカを好きでいられるのは何故か。
それはアフリカ自体が強烈に魅力的な場所だということもあるとは思うが、私とアフリカとの間の距離が主な理由じゃないかと私は思っている。

日本~アフリカ間を往復するには、滞在費用込みで1回100万円以上のお金がかかる上に、ちょっと近所に出かける感覚ではたどり着けないくらいの時間と体力が必要になる。アフリカに行き始めた当初は、もっとアフリカに足を運びたくて、もっと現地人との距離感を早く詰めたくて仕方がなかったが、経済的に不可能だった。もしも、私にアフリカへの渡航を簡単に繰り返すだけの資金が潤沢にあって(もしくは、アフリカが台湾や香港くらい近くにあって)、英語もペラペラでアフリカ人とのコミュニケーションも最初から簡単にとれていたら、飽きやすい性格の私は今頃、アフリカ人を追いかけてなかったかもしれない。物理的に遠く、経済的にも縁遠くならざるを得ない土地だからこそ、今も私はアフリカを好きでいられるのだと勝手に思っている。
よく母親が「恋愛も適度な距離感が必要よ」と言っていたが、まさしく、何事にも適度な距離感が必要なのだ(その適度な距離感を保つということは、私にとって非常に難しいことでもあるのだが……)。

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だから、私は周りの人から思われているような、365日アフリカのことばかり考えているアフリカ☆LOVEといったような人間ではなく、本当に適度に好きなのだ。適度に好きだというと、なんだか語弊があるような気もするが、言ってみれば、「ズルズルときてしまったのよ」と言いつつ数十年間連れ添ってきた夫婦のような感じだろう。

私の心の古女房であるアフリカとは、まだまだ長い付き合いになりそうである。

次回は私のアフリカ特化型コミュニケーション術について、憚(はばか)りながらお話ししたいと思う。

 

【Profile】
ヨシダナギ

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1986 年生まれ。フォトグラファー。
独学で写真を学び、2009年より単身アフリカへ。
アフリカをはじめとする世界中の少数民族を撮影、発表。
その作品の唯一無二な色彩と、自身の生き方が評価され、TVや雑誌などメディアに多数出演。
日経ビジネス誌では2017年の「次代を創る100人」に選出される。
著書に、写真集『SURI COLLECTION』(いろは出版)、アフリカ渡航中に遭遇した数々のエピソードをまとめた紀行本『ヨシダ、裸でアフリカをゆく』(扶桑社)がある。
http://nagi-yoshida.com

Text:ヨシダナギ

*次回は2/12(日)掲載予定です。
※文章・画像の無断転載はご遠慮ください

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