話題のジビエ料理、“猪骨ラーメン”を瀬戸内海・大三島に追う!

いまや日本人のソウルフードともいえる麺料理、ラーメン。
街中にはダシやタレ、麺の種類に創意工夫をこらした店舗が乱立。横浜家系や佐野、徳島など、その土地ならではの味で楽しませてくれるご当地ラーメンも続々と誕生しました。

そんな中、瀬戸内海に浮かぶ愛媛県・大三島で開発されたというのが「猪骨(ししこつ)ラーメン」。読んで字のごとく、イノシシの骨からスープをとって調理したそうです。
考案したのは、脱サラして島に移住したという猟師さん。
マタギ料理、いま風に言えばジビエとも呼べる猪骨ラーメンは、果たしてどのように生まれたのでしょうか?
「田舎暮らしの本」2月号では、その誕生秘話を追いました!

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食肉も自力で調達すべく震災を機に脱サラ、猟師へ

「猪骨ラーメン」の産みの親は、埼玉県から愛媛県今治市大三島に移住した吉井 涼さん。もともとはサービス業に従事していましたが、東日本大震災で食料調達へ危機感を抱いたことから猟師に転職。その後、大三島で、捕獲したイノシシを食肉として販売する「しまなみイノシシ活用隊」に出会います。最終的には、最長3年間は給料が支給される地域おこし協力隊として現地に移住することに。

引っ越し早々、「しまなみイノシシ活用隊」の代表・渡邉秀典さん(40歳)に誘われ、メンバーの一員となる。吉井さんはそこで猟師としてのノウハウや解体技術を教わりながら、実作業に携わることになった。
「そこで初めて食べたイノシシ肉がとてもおいしくて! モモの部分を炭火で焼いただけでしたが、嫌な臭みはまったくありません。赤身には滋養が感じられ、脂身はさらりと口の中に広がり高級感を感じました」
そんな上質な肉に付く骨のエキスは、さぞかしおいしかろうと胸が躍った吉井さんだったが、当時は「用途がないので山の中に埋設処理している」と知り、ショックを受ける。

その打開策としてひらめいたのが、ラーメンだ。じつは大三島にはラーメン専門店がなく、ラーメン愛好家でもある吉井さんにとっては唯一といっていいほどつらい状況だったのである。

「豚骨スープと同様の手法で抽出すれば案外いけるかも」と試作したところ予想以上の味のよさ。そこで公民館の調理室を借り、豚骨ならぬ「猪骨ラーメン」として本格的なレシピ開発をスタートさせる。
2015年6月に行った初の試食会では、イノシシに秘められた可能性に、集まった島内のラーメン好きから歓声が上がった。

イノシシは、ウシやブタよりクセがなく繊細な風味。吉井さんは「どうせなら地域の特産品になるくらいのクオリティを目指そう」と試行錯誤。その魅力を最大限引き出すために、スープに島の特産「伯方の塩」や有機無農薬栽培の地元産レモンを加えたり、煮込みの時間を工夫したりしながら、試食会は1年半の間で累計24回にも上った。

地域おこし協力隊の任期終了後、2018年春までに、島内に「猪骨ラーメン」の店を開くべく準備に精を出す吉井さん。現在はラーメン店経営のノウハウを学んだり、島内や広島、東京でのイベントで出店したりしているそうです。

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↑白濁したスープが滋味深い「猪骨ラーメン」は、チャーシューももちろん野生イノシシ。
イベントでは現状800~1000円で販売。

ラーメン好きなら一度は食べてみたい「猪骨ラーメン」について、詳しくは「田舎暮らしの本」2月号58ページからの特集「ジビエで地域おこし」でご覧ください!

特集内では他にも埼玉県西秩父の「ちちぶのじかプロジェクト」や和歌山県の「古座川ジビエ」プロジェクトなど、日本各地のジビエを通じた地域おこしを掲載していますよ。

文・写真/吉野 歩

※誌面画像の無断転載はご遠慮ください

 

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